作品紹介

マヨワって何だ?
作品紹介のページです!

作・演出より

ここ十年の間に団地の状況はずいぶん変わったように思います。 十年前の団地は老朽化がすすみ住民もお年寄りがほとんどいう有様で、まるで古代遺跡のような印象を受けました。 しかし現在は建て替えがすすみ、再び若い家族が増えはじめた印象を受けます。 団地マニアの私としては廃墟の美も好きでしたが、再び活気ある団地が見られるのも嬉しいです。 団地といえば無個性な印象をうける方もいるでしょう。どこか冷たいイメージをお持ちの方もいるかと思います。 私たちのこれまでの作品「ヒラカタ・ノート」「ピラカタ・ノート」も冷たい無残の美を追求したものでした。 けどこの「少年王マヨワ」は躍動感ある作品になりそうです。 古事記にも登場する少年王マヨワの墓をめぐって団地の住民たちの思惑が絡み合うダークファンタジー作品です。 およそこの世の喜びと苦しみをすべて鍋に入れて煮込むつもりでおります。 お楽しみに。

─ ごまのはえ

『少年王マヨワ』 作品紹介

日本がまだ若かった頃のお話。
大きな丘を切り開いて作られた団地。そこに沢山の家族が住んでいる。
周囲には森の残骸があちこちに残っており、そこからイタチやキツネが
道路を横切って走り抜け、運の悪いものはトラックに跳ね飛ばされていた。
その死骸のすぐそばに黒い影があらわれる。影は手にした棒でイタチの死骸をひっかけた。
丘までそれを引いて埋めるのだという。
団地の人々で、彼の姿を見たものはまだいない。

2004年『ヒラカタ・ノート』(第12回OMS 戯曲賞特別賞受賞)
2011年『ピラカタ・ノート』(2年間に全国6会場で上演)に続く
実在の町「ヒラカタ」をモデルにして描くシリーズ第三弾は、
子供たちの視点からヒラカタを描きます。
荒廃と再生の物語。

◎ひとくちメモ「 マヨワ」とは?

「マヨワ」とは『古事記』に登場する少年王の名前だ。
『古事記』では「目弱」と漢字をあてている。

彼は大王の一族として生まれたが、
実父をアナホ(安康天皇)に殺され母もその妻にされてしまう。
マヨワはそのことを知らなかったが、あるいきさつから真実を知り、
夜中に太刀をとりアナホを殺害してしまう。
大王殺害という大罪を犯した彼は、時の大臣ツブラノオホミの屋敷に逃げ込むが、
アナホの弟に攻められ、忠臣ツブラノオホミとともにこの世を去る。
この時わずか7歳程だったという。

Special 世界マヨワ発見!

古事記に登場する少年、マヨワ君のエピソードは、現在の奈良県を舞台に繰り広げられます。
『少年王マヨワ』の公演を前にして、ニットキャップシアターのメンバーが彼にゆかりのある場所を実際にまわって、その生涯を辿ってみました。

世界マヨワ発見!

世界マヨワ発見! その1

ニットキャップシアターの隠れた人気シリーズ「ミステリーハンターRYOKO」が、久々に復活!!
装いも新たに、新しいミステリーハンター「Miiko(ミー子)」にバトンタッチして、今回から動画になったミステリーハンターシリーズ。
題して、『世界マヨワ発見!』。
ニットキャップシアター 第33回公演『少年王マヨワ』を盛り上げるべく、古事記に登場するマヨワ君の生涯を辿ってみた。

★ロケ地:石上穴穂宮(いそのかみのあなほのみや/現在の奈良県天理市)


世界マヨワ発見! その2

まさかの、マヨワ王との出会いに心躍るミー子。
次の足跡を辿るべく訪れた場所にいたのは……
そしてミステリーハンター・ミー子が見たものとは……
衝撃の展開!!

★ロケ地:菅原伏見西陵(すがわらのふしみのにしのみささぎ/現在の奈良県奈良市宝来)


世界マヨワ発見! その3

マヨワの悲しい過去を知ったミー子。
胸に去来するのは「何故?」という思い。
歴史の謎は自分で解け! それがミステリーハンターだ!
真実を追って山に登るミー子。
しかし、そこには彼女を待ち受ける悲しい結末が……

★ロケ地:極楽寺ヒビキ遺跡(現在の奈良県御所市南郷)


世界マヨワ発見! その4

すべてを知ったミー子。
彼女が最後に向かった場所、そして見た奇跡とは……?…

★ロケ地:坂合黒彦皇子墓(さかいのくろひこのみこのはか/現在の奈良県吉野郡大淀町)