戦争が終わってしばらくたった1955年の春。
ある男女が出会い、家族がはじまりました。
1970年の万博の夏。
子供は二人になっていました。いつも喧嘩がたえない騒がしい家族になりました。
やがて、バブルの真ん中1986年の秋。子供たちも大人になり、それぞれの道へ。
震災があった1995年の冬の朝、
孫の活躍が眩しい2005年の春の夕暮れ、
検査と対策の時代を経て、今日まで―――
伊丹で豆腐屋を営むある家族の歴史を、
いくつもの時代と街の風景を通して描いた舞台『さよなら家族』をもとに、
ともに伊丹に縁の深いごまのはえの脚本と、小原延之の演出が初のタッグを組み、
伊丹と劇場とわたしたちの物語を語りなおします。
さらば、さらば、さらば!!
ごまのはえ(脚本)
苦労話が伝わりづらい世の中です。例えば身勝手な旦那に振り回された女性がいるとします。どれだけ苦労したか語っても、若者からは「別れたらええだけちゃうん」と歌心のない返事しか返ってきません。けれどそんな若者ももう少し我慢して耳を傾ければ、語り手が昔の自分に寄り添い、若き日の自分を励まし、今の自分を労っている姿を見ることができるでしょう。それは感動的な姿です。若者の苦労話離れが言われて久しい昨今、この姿を拝むことなく老いゆく人が沢山いるのは寂しいかぎりです。『さらば、象』は平たく言うと「苦労話系演劇」です。沼に咲く蓮のような清々しいお芝居です。この豊穣な世界をアナタも覗いてみませんか。特に親の苦労話がもう聞けなくなった方、まだ生きてるけど聞きたくねぇやって方は、ぜひご来場ください。
小原延之(演出)
2017年にアイホールで上演された『さよなら家族』に「劇場のある町」という文脈が加わった。町の物語なのだから、伊丹が劇場のある町であることは自然な話だけれど、ちょっとこそばゆい気がした。自分で自分を自慢しているような気がしたのだ。だけど数年前、町の劇場の存続問題があった頃、僕たちは、それを自慢しきれなかったのかもしれないし、市民の方々に自慢してもらっていいことを告げたけれど、どうもこそばゆくなってしまって、結果、それがいけなかったのかもしれない。今回、ごまさんとニットキャップシアターのみなさんが、折角さよならを告げるための物語をつくってくれたのだから、自信をもって、さよならに向き合いたいと思う。
*チケット情報GETTIIS(ゲッティーズ)に会員登録の上、お申し込みください。
*事前精算(カード決済またはセブン-イレブン支払い)。
*チケットの種類は、紙のチケット、またはQRコードチケット「れすQ」からお選びいただけます。
*ペア券は1枚で2名様有効です。
*車椅子のお客様や、観劇に際してお手伝いが必要な方は劇団までご相談ください。
・ニットキャップシアター メール: info@knitcap.jp / 電話: 090-7118-3396(劇団)
(火曜休館/12月29日(日)~1月3日(金)は年末年始休館)
ごまのはえ
大阪府枚方市出身。ニットキャップシアター代表。京都を創作の拠点に大阪、東京、福岡、名古屋などの各都市で公演を続けている。
『愛のテール』でOMS戯曲賞大賞、『ヒラカタ・ノート』でOMS戯曲賞特別賞及び新・KYOTO演劇大賞、『チェーホフも鳥の名前』で北海道戯曲賞大賞を受賞。
一般社団法人毛帽子事務所代表理事。
小原 延之(こはら のぶゆき)
劇作家・演出家。1968年、福井県出身。劇団そとばこまち7 代目座長を務め、退団後、フリーの劇作家・演出家として活動。2004 年、「大阪教育大学附属池田小学校事件」をモチーフにした『丈夫な教室』(第12 回OMS 戯曲賞最終候補)で評価を得る。
近年は、劇団大阪や高槻シニア劇団などの演出を手がけるほか、吹田市と大阪大学との共同事業などにも参画し活動の幅を広げている。また、教育現場における演劇の手法を使った授業を行うアウトリーチ事業の講師としても活躍している。
おがわ てつや
大阪を中心に活動するウクレレ&アコースティックギター奏者。
「ウクレレやギターってこんなに綺麗な音がするの?」 と、驚くほど透き通ったサウンドと優しく温かなメロディで、 聴く人の耳と心を一気に引き込んでいく。
活動範囲は多岐に渡り、ライブシーンはもちろんのこと、お茶の間、山の中、いちご農園、プラネタリウムなど、呼ばれるところにはどこでも現れる。
髙安 美帆(たかやす みほ)
俳優・舞手・演出家。大阪府八尾市出身。8歳より浪速神楽をはじめる。近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻卒。卒業後、エイチエムピー・シアターカンパニーに参加。奨学金を得てドイツへ演劇留学した事をキッカケに、個人活動を開始。「神楽」や「伝統芸能」「水墨画」をモチーフにした作品制作など、伝統と現代をつなぐプロジェクトを国内外の表現者たちと共に立ち上げている。第26回関西現代演劇俳優賞大賞受賞。
門脇 俊輔(かどわき しゅんすけ)
1981年、北海道生まれ。
2002年、京都大学在学時にニットキャップシアターに入団。2003年、ベビー・ピーの旗揚げに参加。以降両劇団に所属し、俳優、制作、公演プロデューサー等で作品に参加。舞台ではカホン等の打楽器を演奏することもしばしば。舞台外ではナレーションや声の出演も。
一般社団法人毛帽子事務所理事。
2011年よりKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 事務局スタッフ。
澤村 喜一郎(さわむら きいちろう)
1982年、高知県生まれ。
2006年、ニットキャップシアターに入団。以降、ほぼ全ての作品に出演する。
劇団外の主な出演に、9時間半にも及ぶアメリカ演劇屈指の大作 KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』(2011)や、ばぶれるりぐる『へちむくかぞく』(2019)、下鴨車窓「散乱マリン』などがある。映像作品への出演に、重江良樹監督作品『紡ぎ』などがある。
仲谷 萌(なかたに もえ)
1989年大阪府交野市生まれ。
東住吉高等学校芸能文化科にて上方伝統芸能を学ぶ。京都造形芸術大学舞台芸術コースにて演技やダンスを学ぶ。卒業後フリーの役者を経て、現在ニットキャップシアターの一員。外部での出演や造形デザインなどの活動もしている。
「劇王2020」にて、優秀俳優賞「彦いち賞」受賞。
西村 貴治(にしむら たかはる)
京都府出身。1997年、演劇企画集団「THE ガジラ」鐘下辰男主宰塵の徒党に参加し、舞台を中心に活動。30代に一時演劇活動から離れた後、40代になって京都を中心に再び芝居をはじめ、様々な作品に俳優として出演している。
2021年よりニットキャップシアターに入団。2022年より、劇団内で俳優の研鑽の場として設置した「俳優ラボ」で講師を担当する。2022年11月にラボ公演『さるものは日々にうとし』、2023年7月に『ニットキャップシアター短編集(長崎公演)』、同12月に第44回公演『よりそう人』 にて演出を務める。
山谷 一也(やまたに かずや)
2003年ひらかたパーククラウンアカデミー入所。次年よりパフォーマンス活動開始。2007年より木原アルミとのマイムユニット「パーカーズ」を結成。商業イベントやお祭り、園や学校で活動をする。
個人では2007年『石膏くん』天保山大道芸フェス出演。2010年京都演劇フェスティバル『コカンセツ』で観客賞受賞。豆腐好き。
2021年4月よりニットキャップシアターに入団。
高田 晴菜(たかた はるな)
山口県出身。
京都造形芸術大学 舞台芸術学科卒業。料理とパン屋巡りが趣味。中高生の頃演劇に興味を持ち、大学で本格的に演劇を学ぶ。卒業後は、京都で俳優活動を続ける。
2021年3月びわ湖ホール舞台技術研修〜人材育成講座〜成果発表公演『不思議の国のアリス』出演。同年8月IN SITU×KAIKA『アルカディア』演出補佐。
2021年4月よりニットキャップシアターに入団。
劇団の公演では、『ヒラカタ・ノート』、『豊岡物語2021』、『さるものは日々にうとし』、『よりそう人』に出演。
越賀 はなこ(こしが はなこ)
愛知県出身。1999~2011年、劇団うりんこ所属。
退団後はひと組、人形劇団むすび座、劇団コーロ、劇団そらのゆめ等の作品に出演。
おもに小中学校や幼稚園保育園での巡回公演を行う児童青少年演劇のせかいで活動しつつ、出たい作品、じぶんが必要とされる作品を求めて全国を渡り歩く。
2024年4月よりニットキャップシアターに入団。
趣味はお遍路、鉄旅、餅つき。
山﨑 茉由(やまさき まゆ)
京都府出身。
大阪芸術大学ミュージカルコース卒業。学内公演ではメインキャストを多く務めた。
卒業後は関西を中心にフリーの俳優として活動。
2024年4月よりニットキャップシアターに入団。
高橋 敏文(たかはし としふみ)
宮城県出身。高校時代より戯曲の執筆を始め、東京大学入学後、学内の演劇サークルで演技を始める。2021年、サークル同期と劇団再放送を旗揚げ。以降主宰と脚本を担当。大学院進学を機に京都に拠点を移し、2024年、ニットキャップシアター入団。
趣味は麻雀、お酒を飲むこと。
大路 絢か(おおじ あやか)
学生時代はガラス工芸を学ぶが、ガラスの中に現れる空間を見ていることに気づき、空間自体を作品とする芝居づくりへ転向。
小劇場で役者をする傍ら、演劇や表現のワークショップの方面でも活動している。
表現ユニット「原脈」では相方の毛利あかりとともに、絵やピアノ、身体や演劇表現で会話をしながら生まれるかたちを模索する。
趣味はパンづくり。猫派。
主な出演作品
三河映画『Ben-Joe』
ニットキャップシアター『カレーと村民』
突劇金魚『小さいエヨルフ』
アイホール「みんなの劇場」こどもプログラム『どくりつ こどもの国』
小骨座『甘くて、辛くて。』
尾澤 ショータロー(おざわ しょーたろー)
1993年3月3日生まれ。大阪府出身。
同志社大学を卒業後、企業に就職したが役者を志し25歳の時に脱サラ。
以後、小劇場を中心に俳優活動を開始。
映像作品や舞台の出演、公演制作を行いながら、様々な劇団の公演に携わっている。
好きな食べ物はカレーライス。
上等カレーとインディアンカレーが好き。
主な出演作品に、
虚空旅団第37回公演「フローレンスの庭」
大阪文化芸術創出事業「沙也可〜海峡を越えた愛〜」
アイホール主催事業「どくりつこどものくに」などがある。
アイホールで実施した、「地域とつくる舞台」シリーズ「伊丹の物語」プロジェクト。市民から提供いただいた写真や取材を通して、作者やスタッフが紡いできた物語の製作過程やエピソードなどを語ります。
「伊丹の物語」プロジェクトで創作された短編『国道171号線を歩く象』をリーディング上演します。この作品は1970年に開催された大阪万博に出場する象たちが神戸港から171号線を歩いて万博会場まで歩いたエピソードに基づいて創作した作品です。実際の写真を織り交ぜながら、当時の伊丹の様子を描きます。
※詳細準備中