2018年~2020年にかけて京都府舞鶴市で実施した「まいづる物語プロジェクト」。 地域の昔の写真を題材に短編戯曲を創作する「戯曲講座」や、そこで書かれた戯曲を使った「朗読劇」の上演を通して、様々な舞鶴の物語が生まれました。 しかし、2020年に三年間の集大成として執筆された戯曲『よりそう人』は、コロナ禍により上演ができずお蔵入りに。
今回この戯曲をニットキャップシアターで初上演します。
劇場ロビーで同時開催する「写真展」と一緒にお楽しみください!
2018年から2019年まで、私たちは舞鶴市内の様々な場所に出かけ、沢山の人に出会い、色んな話を聞きました。そこで感じた舞鶴の人たちの「よりそう力」。明治以降、この町は中央の求めに応じて姿を大きく変えてきました。戦後は引き揚げの港として、日本中の家族の胸に「まいづる」の名が刻まれました。数えきれない喜びと悲しみによりそい見守り続けたのがこの町の人たちです。本作はそんな舞鶴を舞台にした静かで激しいお話です。今となっては懐かしい昭和のよくある話です。
――ごまのはえ(脚本)
稽古に備えて台本を読んでいると、自分の記憶の思い出せない部分を辿ろうとしていることがよくあります。嫌な事には目を背けてきたのか、なかなか思い出せません。歳を重ねて、寄り添うことも寄り添ってもらうことも下手になったなと思います。この芝居では、分かったような顔をせず次は無い気持ちで走り抜けようと思っています。観ていただいた方も、ふっと自分の生きてきた道を振り返って良き年末年始を迎えられる、そんな公演ができますように。
――西村貴治(演出)
『よりそう人』の舞台映像を、オンライン配信とDVDでお届けします。
会場にお越しいただけなかった方や、もう一度観たい、あの人に観せたいという方もぜひご利用ください!
ごまのはえ
大阪府枚方市出身。ニットキャップシアター代表。京都を創作の拠点に大阪、東京、福岡、名古屋などの各都市で公演を続けている。
『愛のテール』でOMS戯曲賞大賞、『ヒラカタ・ノート』でOMS戯曲賞特別賞及び新・KYOTO演劇大賞、『チェーホフも鳥の名前』で北海道戯曲賞大賞を受賞。
一般社団法人毛帽子事務所役員。一般財団法人地域創造派遣アーティスト。
西村 貴治(にしむら たかはる)
京都府出身。1997年、演劇企画集団「THE ガジラ」鐘下辰男主宰塵の徒党に参加し、舞台を中心に活動。30代に一時演劇活動から離れた後、40代になって京都を中心に再び芝居をはじめ、様々な作品に俳優として出演している。
2021年よりニットキャップシアターに入団。2022年より、劇団内で俳優の研鑽の場として設置した「俳優ラボ」で講師を担当する。2022年11月にラボ公演『さるものは日々にうとし』、2023年7月に『ニットキャップシアター短編集(長崎公演)』 にて演出を務める。
門脇 俊輔(かどわき しゅんすけ)
1981年、北海道生まれ。
2002年、京都大学在学時にニットキャップシアターに入団。2003年、ベビー・ピーの旗揚げに参加。以降両劇団に所属し、俳優、制作、公演プロデューサー等で作品に参加。舞台ではカホン等の打楽器を演奏することもしばしば。舞台外ではナレーションや声の出演も。
一般社団法人毛帽子事務所理事。2011年よりKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭スタッフ。
高原 綾子(たかはら りょうこ)
京都伏見の生まれ。
2004年ニットキャップシアターに入団。以降、ほぼ全ての作品に俳優と制作として携わってきたが、昨年は俳優を休業。今回は一年ぶりの出演となる。子ども向けの演劇ワークショップ、演出助手、市民参加型作品の演技指導など舞台創作のサポート役を担ってきた。
海より断然山派。だし巻きが好物。
澤村 喜一郎(さわむら きいちろう)
1982年、高知県生まれ。
2006年、ニットキャップシアターに入団。以降、ほぼ全ての作品に出演する。
劇団外の主な出演に、9時間半にも及ぶアメリカ演劇屈指の大作 KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』(2011)や、ばぶれるりぐる『へちむくかぞく』(2019)、下鴨車窓「散乱マリン』などがある。映像作品への出演に、重江良樹監督作品『紡ぎ』などがある。
仲谷 萌(なかたに もえ)
1989年大阪府交野市生まれ。
東住吉高等学校芸能文化科にて上方伝統芸能を学ぶ。京都造形芸術大学舞台芸術コースにて演技やダンスを学ぶ。卒業後フリーの役者を経て、現在ニットキャップシアターの一員。外部での出演や造形デザインなどの活動もしている。
「劇王2020」にて、優秀俳優賞「彦いち賞」受賞。
山谷 一也(やまたに かずや)
2003年ひらかたパーククラウンアカデミー入所。次年よりパフォーマンス活動開始。2007年より木原アルミとのマイムユニット「パーカーズ」を結成。商業イベントやお祭り、園や学校で活動をする。
個人では2007年『石膏くん』天保山大道芸フェス出演。2010年京都演劇フェスティバル『コカンセツ』で観客賞受賞。豆腐好き。
2021年4月よりニットキャップシアターに入団。
高田 晴菜(たかた はるな)
山口県出身。
京都造形芸術大学 舞台芸術学科卒業。料理とパン屋巡りが趣味。中高生の頃演劇に興味を持ち、大学で本格的に演劇を学ぶ。卒業後は、京都で俳優活動を続ける。
2021年3月びわ湖ホール舞台技術研修〜人材育成講座〜成果発表公演『不思議の国のアリス』出演。同年8月IN SITU×KAIKA『アルカディア』演出補佐。2021年4月よりニットキャップシアターに入団。劇団の公演では、『ヒラカタ・ノート』、『豊岡物語2021』、『さるものは日々にうとし』に出演。
阪本 麻紀(さかもと まき)
1978年和歌山生まれ。
高校より演劇活動を始める。近畿大学文芸学部芸術学科演劇・芸能専攻を卒業後、京都の劇団「烏丸ストロークロック」のメンバーとなる。劇団外では劇団サンプル、ヨーロッパ企画イエティ、iaku、劇団八時半、魚灯、スクエア等に出演。ニットキャップシアターには2008年『愛のテール』以来の出演となる。
近年ではこどもたちを対象にした表現教育の指導にも積極的に携わっている。「表現あそび教室」を京都市内で開催。
第19回関西現代演劇俳優賞受賞。
上条 拳斗(かみじょう けんと)
福岡県出身、在住。
18歳より演劇に興味を持ち小劇場を中心に活動を始める。近年はナレーターとしても活動しており、ラジオドラマ NTTドコモ presents「Enjoy!!スマートライフストーリー」(FM福岡/10:55〜)に出演中。
〈主な出演作〉
明後日の方向#1『赤目』/下鴨車窓『漂着(kitchen)』/指輪ホテル『つみくさあそび』/時々自動『コンサート・リハーサル』/第七劇場×愛知県芸術劇場×愛知県美術館『幽霊』
舞台監督|河村都(華裏)
照明|葛西健一
音響|三橋琢
音楽|北航平(coconoe / studio guzli)
衣裳|清川敦子(atm)
小道具|仲谷萌
演出助手|小山裕暉(テノヒラサイズ)
宣伝美術|山口良太(slowcamp)
絵|竹内まりの
宣伝映像|飯阪宗麻(NOLCA SOLCA Film)
制作|門脇俊輔 高原綾子 澤村喜一郎 高田晴菜 渡邊裕史(ソノノチ)
協力|烏丸ストロークロック 一般社団法人桜art アンサンブル
取材協力|舞鶴引揚記念館
助成|文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))・独立行政法人日本芸術文化振興会
提携|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
後援|舞鶴市 京都市 京都府
京都芸術センター制作支援事業
企画・製作・主催|一般社団法人毛帽子事務所 ニットキャップシアター
劇作家、演出家、衣装スタイリング、intro代表
2006年よりintroを開始。「札幌演劇の奥のほう」をスローガンに活動。文字通り「札幌演劇の奥のほう」としてコアな支持を受ける。 2018 年札幌演劇シーズン参加、再演「わたし-The CASSETTE TAPE GIRLS DIARY-」で 960名の観客動員を記録。
奇抜なポップ感覚と独特のリズム感覚でファンタジーとリアルの同居する世界観を繰り広げる。家族の普遍的な会話劇の劇作傾向と、コンテンポラリー演劇と評されるアグレッシブな身体表現による演出傾向が持ち味。2019年より大阪へ移住。2020年万博設計に書き下ろした「砂利はポルカで踊る」が第28回OMS戯曲賞最終選考ノミネート。
劇作家・演出家。1968年、福井県出身。劇団そとばこまち7 代目座長を務め、退団後、フリーの劇作家・演出家として活動。2004 年、「大阪教育大学附属池田小学校事件」をモチーフにした『丈夫な教室』(第12 回OMS 戯曲賞最終候補)で評価を得る。
近年は、劇団大阪や高槻シニア劇団などの演出を手がけるほか、吹田市と大阪大学との共同事業などにも参画し活動の幅を広げている。また、教育現場における演劇の手法を使った授業を行うアウトリーチ事業の講師としても活躍している。
「高校生以下観劇カード・保護者観劇カード」は、2023年度11月から2月にTHEATRE E9 KTOYOで上演される16公演を原則全て無償で観劇できるカードです。 京都府下の高校生以下の子どもやその同行者(保護者・引率者)を対象としております。詳細は劇場HPをご覧ください。
*紙のチケット、またはQRコードチケット「れすQ」からお選びいただけます。
*事前精算(カード決済またはセブン-イレブン支払い)。
*チケット情報GETTIIS(ゲッティーズ)に会員登録の上、お申し込みください。
*ペア券は1枚で2名様有効。
『よりそう人』の元になったエピソードや物語と関わりの深い写真を中心に、舞鶴の昔の写真を劇場ロビーに展示します。
舞台と合わせて、ぜひじっくりご覧ください。
昭和28年9月、台風13号が近畿地方を縦断しました。
京都府舞鶴市でも死者53人・重軽傷者131人など大きな被害が出ました。
市の東南端にある「多門院」地区には、この時の様子を後世に残すため、地区住民による災害回想録が残されています。
このワークショップではその回想録を俳優がよみあげます。
またゲストに多門院住民で地元の歴史にも詳しい新谷一幸さんをお迎えし、当時の状況や地域の歴史と演劇の関わりについて話をします。
ぴあ 「中井美穂 めくるめく演劇チラシの世界」にて、『よりそう人』のチラシを取り上げていただきました!
チラシのデザインや魅力について、山口さん・高原・門脇の話を、中井美穂さんに聞いていただきました。
ぜひご覧ください!