日本とロシアに挟まれた島、サハリン。
この島に「チェーホフ」と名付けられた街があるのをご存知でしょうか。
ロシア人、日本人、朝鮮人、ニヴフやアイヌなどの北方民族――
この街に暮らした様々な人々が、
ときに国家間の思惑によって翻弄されながらも生活する様子を、
アントン・チェーホフや宮沢賢治ら、
かつてこの島を訪れた作家達の眼差しとともに辿ります。
サハリンのある街と人々の暮らしを描いた、約100年のクロニクル。
本作『チェーホフも鳥の名前』は、京都を拠点に活動する劇団 ニットキャップシアターが、ごまのはえ の作・演出により2019年にアイホール(兵庫県伊丹市)で初演。好評を博し、2022年に再びアイホールと、東京の座・高円寺1で再演した作品です。
2023年2月に戯曲が、「令和4年度 希望の大地の戯曲賞『北海道戯曲賞』大賞」を受賞。今回その受賞公演として念願の北海道公演が実現することになりました。
北海道戯曲賞ウェブサイトの「アーカイブ【第9回 2022年度(令和4年度)】」にて、『チェーホフも鳥の名前』の戯曲と、受賞時の選評をお読みいただけます。ぜひご覧ください。
北海道の宗谷岬から約43km北にある島。
昔からたくさんの民族が、日本と大陸の双方と交流をもちながら暮らしていた。
近代以前はどこの国にも所属していなかったが、ロシアのシベリア開拓や日本の近代化以降は、両国の国境地帯として何度も戦火にみまわれた。
日本統治時代は「
終戦後は住民の多くが日本に引き揚げた一方で、国家間の様々な事情などによりサハリンに残留した人も多い。現在は「サハリン州」として事実上ロシア連邦に属しており、ロシア、朝鮮、日本、北方民族の人々が多文化的な生活を営んでいる。
ごまのはえ
大阪府枚方市出身。ニットキャップシアター代表。京都を創作の拠点に大阪、東京、福岡、名古屋などの各都市で公演を続けている。
『愛のテール』でOMS戯曲賞大賞、『ヒラカタ・ノート』でOMS戯曲賞特別賞及び新・KYOTO演劇大賞、『チェーホフも鳥の名前』で北海道戯曲賞大賞を受賞。
一般社団法人毛帽子事務所役員。一般財団法人地域創造派遣アーティスト。
門脇 俊輔(かどわき しゅんすけ)
1981年、北海道生まれ。
2002年、京都大学在学時にニットキャップシアターに入団。2003年、ベビー・ピーの旗揚げに参加。以降両劇団に所属し、俳優、制作、公演プロデューサー等で作品に参加。舞台ではカホン等の打楽器を演奏することもしばしば。舞台外ではナレーションや声の出演も。
一般社団法人毛帽子事務所理事。2011年よりKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭スタッフ。
澤村 喜一郎(さわむら きいちろう)
1982年、高知県生まれ。
2006年、ニットキャップシアターに入団。以降、ほぼ全ての作品に出演する。
劇団外の主な出演に、9時間半にも及ぶアメリカ演劇屈指の大作 KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』(2011)や、ばぶれるりぐる『へちむくかぞく』(2019)、下鴨車窓「散乱マリン』などがある。映像作品への出演に、重江良樹監督作品『紡ぎ』などがある。
仲谷 萌(なかたに もえ)
1989年大阪府交野市生まれ。
東住吉高等学校芸能文化科にて上方伝統芸能を学ぶ。京都造形芸術大学舞台芸術コースにて演技やダンスを学ぶ。卒業後フリーの役者を経て、現在ニットキャップシアターの一員。外部での出演や造形デザインなどの活動もしている。
「劇王2020」にて、優秀俳優賞「彦いち賞」受賞。
西村 貴治(にしむら たかはる)
京都府出身。1997年、演劇企画集団「THE ガジラ」鐘下辰男主宰塵の徒党に参加し、舞台を中心に活動。30代に一時演劇活動から離れた後、40代になって京都を中心に再び芝居をはじめ、様々な作品に俳優として出演している。
2021年よりニットキャップシアターに入団。2022年より、劇団内で俳優の研鑽の場として設置した「俳優ラボ」で講師を担当する。2022年11月にラボ公演『さるものは日々にうとし』、2023年7月に『ニットキャップシアター短編集(長崎公演)』、同12月に第44回公演『よりそう人』 にて演出を務める。
山谷 一也(やまたに かずや)
2003年ひらかたパーククラウンアカデミー入所。次年よりパフォーマンス活動開始。2007年より木原アルミとのマイムユニット「パーカーズ」を結成。商業イベントやお祭り、園や学校で活動をする。
個人では2007年『石膏くん』天保山大道芸フェス出演。2010年京都演劇フェスティバル『コカンセツ』で観客賞受賞。豆腐好き。
2021年4月よりニットキャップシアターに入団。
石原 菜々子(いしはら ななこ)
東京都足立区出身。
2012年 劇団維新派『夕顔のはなしろきゆふぐれ』出演をきっかけに維新派に入団し、大阪に移住。解散までの全作品に出演する。
解散後、元維新派の金子仁司らとともにkondabaを立ち上げる。都市の中に上演場所を探し、その場所が持つ規則や制約、身体との関係性に着目し作品創作を行う。
Monochrome Circus、akakilike、極東退屈道場、したため、ニットキャップシアター、neji&co.などの作品に出演。
〈都市〉〈移動〉〈あそび〉をテーマにソロでの創作も行う。
大路 絢か(おおじ あやか)
学生時代はガラス工芸を学ぶが、ガラスの中に現れる空間を見ていることに気づき、空間自体を作品とする芝居づくりへ転向。
小劇場で役者をする傍ら、演劇や表現のワークショップの方面でも活動している。
表現ユニット「原脈」では相方の毛利あかりとともに、絵やピアノ、身体や演劇表現で会話をしながら生まれるかたちを模索する。
趣味はパンづくり。猫派。
主な出演作品
三河映画『Ben-Joe』
ニットキャップシアター『カレーと村民』
突劇金魚『小さいエヨルフ』
アイホール「みんなの劇場」こどもプログラム『どくりつ こどもの国』
小骨座『甘くて、辛くて。』
千田 訓子(せんだ としこ)
子役よりドラマ、ラジオCM、舞台等に出演。高校時代ピッコロ演劇学校に入学後17歳で小劇場デビュー。 幾つかの劇団に在籍後フリーを経て2023年 万博設計入所。
座右の銘【なるようになる】
50代に入りやっと自分に正直になれてきたかなと感じる今日この頃です。
山岡 美穂(やまおか みほ)
横浜生まれの大阪育ち。
現在は関西を中心にフリーで活動しており、舞台作品を中心にジャンルを問わず多岐にわたり出演。近年ではロームシアター京都劇場探検ツアーのアテンダントとして劇場と地域に密着した事業にも参加。
舞台と演劇をこよなく愛し、日々のエネルギー源はにんにくと猫。冬になると金沢を訪れ、お気に入りの喫茶店でココアを飲むのが1年のたのしみ。
田辺 響(たなべ ひびき)
西アフリカの楽器 “アサラト” を手にした事でリズムの世界・世界のリズムへ。
アサラトのみで構成されたパフォーマンス集団 “鴨印” 、指揮型即興打楽器オーケストラ “La senas”、コミックHIPHOPバンド “ザ ストロングパンタロンX” にて活動中。
近年ではアジア、ヨーロッパなど海外でのパフォーマンスやワークショップも好評を得る。
またフリーのパーカッション二ストとして、これまで様々なプロジェクトやバンドに参加。
2017年より世界の楽器、民族楽器を取り扱う専門ショップ “RAGAM(ラーガム)” を開店。
世界各国の楽器や音楽文化を紹介する講演やワークショップも各地で行う。
http://ragam-store.com/
黒木 夏海(くろき なつみ)
大阪府出身。同志社女子大学声楽コース卒業。いいむろなおき氏にマイムを師事。いいむろなおきマイムカンパニーやニットキャップシアター等に出演。DANCECOMPLEX2010優勝、審査員特別賞W受賞。関西で活動後、2021年より関東に移動。『プラネタリウムのふたご』『東京2020パラリンピック開会式』出演、ストリートシアター作品『χορός/コロス』共同振付・演出・出演、東宝ミュージカル『町田くんの世界』マイム振付・指導。SLOW LABELアカンパニスト。コーヒーが好き。
後藤 悠樹(ごとう はるき)
1985年大阪生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。
2006年にサハリン(樺太)を訪れて以来、定期的に長期滞在を繰り返す。被写体に寄り添うようなスタイルで写真と原稿にて作品を発表。著書に「サハリンを忘れない(DU BOOKS)」、「サハリン残留 (高文研)」(写真を担当)がある。
近年の写真展には「Всматриваясь в Сахалин(邦題 サハリンを見つめて)」(サハリン州立美術館 )、「サハリンを忘れない」(神楽坂セッションハウス)などがある。広告写真家のアシスタント、アパレルカメラマンを経て、現在写真館勤務。
https://www.goto-haruki2.com/