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★Report

公演概要


2007年版「男亡者の泣きぬるところ」は5人で挑みました。役者2人と楽器部隊3人というシンプルな編成。

役者は、初演と同じ ごまのはえと大木湖南。楽器部隊は、初演から引き続き門脇俊輔がパーカッションを、高原綾子がピアニカを担当。さらに今回は、京阪エリアで音楽活動をおこなっている白旗聖子さんを客演に加え、電子ピアノを担当してもらう新編成。またパーカッションは、これまでのドラムやボンゴではなく、今回ニットの舞台では初めて使う「カホン」という木箱のような打楽器で演奏しました。

台本は、以前カフェで上演した<カフエ版>をベースにして、更に今回の舞台用に書き換えたものを上演しました。

衣装は、役者の男二人はモノトーンでまとめたシンプルな衣装。楽器隊は、女性二人が黒紋付の着物をアレンジした衣装、男もシャツに和柄をあしらったりと和服を前面に押し出したものでした。

会場は、いつも公演をおこなっている京都・大阪をちょっと離れて、長編での公演は初となる「神戸」、劇団で初めての上演となる「滋賀」、そして初めての海外公演、「上海」の三都市で上演しました。

ニットキャップシアターの代表作品の一つである「男亡者の泣きぬるところ」ですが、今回新しい土地でもたくさんの笑いと喝采を生み出すことができました。この作品がもつ「おかしみ」、「楽しさ」、「どうしようもなさ」には普遍性があると、再認識した3都市ツアー公演となりました。

男亡者'07
【in神戸】舞台写真 撮影:島田明子


会場ごとに


in神戸

【in神戸】 「2007 アジア演劇祭in関西」参加公演

「アジア演劇祭in関西」に参加しての公演で、小劇場演劇で活動する私達にとってあまり接する機会がなかった「新劇」の劇団の方々とも交流をすることができました。

前日まで、ごま、大木、高原、門脇が別の公演に参加しており、かつ、劇場に入ったその日に本番の上演をするという超ハードスケジュールでの公演。でしたが、無事に幕をあけることでき、ホッとしました。

in滋賀

【in滋賀】

劇団としては初めての滋賀公演。神戸公演を踏まえて演出・演技ともに更に改良、5人で上演する最良のスタイルに仕上げていきました。

オープニングでは舞台正面奥の壁が開き、煙立ちこめる逆光の中から楽器部隊が登場。インパクトのあるシーンを演出し、会場の特質を最大限に活用した公演となりました。


in上海

【in上海】

何よりも、海外での公演であることが大きな特徴でした。劇団としても初めての経験に、何からどう手をつけてよいのやら。けれどこの公演は、先だって神戸でおこなったアジア演劇祭の一環であり、神戸公演で出会った劇団、知り合った方々の協力のもと、無事に公演をおこなうことができました。

中国人のお客さんに日本語で上演する。そこでかかせないのが字幕です。舞台上の演技とリアルタイムで、ステージ上部のスクリーンに字幕を映し出すスタイル。そのため、表記される字幕を実際のセリフより短くまとめたり、日本の固有名詞を中国で通用する人名に置き換えたりと、翻訳での工夫がお客さんを繋ぐ重要な役割をはたします。それをうまく翻訳していただいたお陰で、中国の方にも大好評。セリフの一部を中国語で言うなど演出上の工夫もあり、言葉の壁を感じさせない上演ができたことがとても嬉しかったです。


⇒ 上海公演のスペシャルレポートは こちら!