チェーホフも鳥の名前
ここは、サハリン。近くて遠い、街の、家族の物語――

ニュース


作品について


日本とロシアに挟まれた島、サハリン島。
この島に「チェーホフ」と名付けられた街があるのをご存知でしょうか。
ロシア人、日本人、朝鮮人、「ニヴフ」や「アイヌ」などの北方民族――
この街に暮らした様々な人々が、
ときに国家間の思惑によって翻弄されながらも生活する様子を、
アントン・チェーホフや宮沢賢治ら、
かつてこの島を訪れた作家達の眼差しとともに辿ります。

おかげさまで劇団旗揚げ20周年!
ニットキャップシアターの『街の記憶』プロジェクト最新作。
街と人々の暮らしを描く、約100年のクロニクル。

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サハリンとは?


「あの島はなんだ?」

北海道の北にある島はなんだ。昔からそう思っていました。大きくて、近くて、それでいて情報が少ない。チェーホフを知り、その作品の面白さがだんだん分かりだした頃、チェーホフがあの島、サハリン島に来たことを知りました。

「あの島はなんだ?」。それは素晴らしい問いでした。その問いを持って本屋に行くと関係する本たちが、子犬のように寄ってくるのです。チェーホフはもちろん、宮沢賢治、北方少数民族、近代化、戦争、引揚げ等々。大きくて、近くて、それでいて情報がすくないと思っていたあの島は、沢山の記憶を抱えて人の訪れを待っていました。資料の束を前にこれは体力勝負だと、酒もたばこもやめて仕事にかかりましたが、脂肪肝から肝炎の一歩手前まで来てしまい、死ぬ思いで戯曲を書きあげました。この創作を通じて私はサハリンのこと、酒だけが脂肪肝の原因ではないことを知りました。

ごまのはえ

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サハリン島

北海道の宗谷岬から約43km北にある島。昔からたくさんの民族が、日本と大陸の双方と交流をもちながら暮らしていた。
近代以前はどこの国にも所属していなかったが、ロシアのシベリア開拓や日本の近代化以降は、両国の国境地帯として何度も戦火にみまわれた。
日本統治時代は「 樺太 ( からふと ) 」と呼ばれ多くの日本人や朝鮮人たちが暮らしていた。
終戦後は住民の多くが日本に引き揚げた一方で、国家間の様々な事情などによりサハリンに残留した人も多い。
現在は「サハリン州」として事実上ロシア連邦に属しており、ロシア、朝鮮、日本、北方民族の人々が多文化的な生活を営んでいる。

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再演情報


ニットキャップシアター 第41回公演
『チェーホフも鳥の名前』
作・演出:ごまのはえ

第64回岸田國士戯曲賞最終候補作品。
サハリン島のある街と人々の暮らしを描いた、約100年のクロニクル!
待望の再演決定。

※本サイト内の他の情報は、2019年初演時のものです


公演情報

(2019年公演)

日時
2019年8月31日(土)~9月2日(月)
8月31日(土)13:00- / 18:00-
9月1日(日) 13:00- / 18:00-
9月2日(月) 14:00-
※受付開始は開演時間の1時間前から
※開場は開演時間の30分前から
※上演時間は3時間前後を予定(新作のため変更の可能性あり)
会場
アイホール
〒664-0846 兵庫県伊丹市伊丹2丁目4番1号
TEL: 072-782-2000
Link: 劇場ウェブサイト
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JR伊丹駅前 / 阪急伊丹駅より東へ徒歩10分
Link: Google マップ
チケット料金
[一般]3,800円(前売・当日とも)
[ユース・学生]2,500円(前売・当日とも / ユースは25歳以下)
[高校生以下]1,000円(前売・当日とも)
[ペア]7,000円(前売のみ / 2名分の料金)
[早割]3,300円(6/22~7/15の期間限定 / 期間中は一般券・ペア券よりも早割がお得です!)
※全席自由
※ユース・学生券、高校生以下券は当日要証明書
※未就学児童の入場はご遠慮ください
※当日受付順に入場整理番号を発行(事前精算チケットのお客様から優先)
チケット予約
※2019年6月22日(土)よりチケット発売
※ペア券と早割は、ニットキャップシアターweb予約と演劇パスでのみ取扱
ニットキャップシアターweb予約フォーム (事前精算券 / 当日精算券)
演劇パス (事前精算券)
チケットぴあ (事前精算券)
イープラス (事前精算券)
京都芸術センター (窓口販売のみ)
・アイホール TEL: 072-782-2000 (電話予約のみ)

キャスト・スタッフ

(2019年公演)

作・演出
goma
photo: 降矢菜採

ごまのはえ

大阪府枚方市出身。劇作家・演出家・俳優。ニットキャップシアター劇団代表。
京都を創作の中心に全国で活動を展開している。
2004年に『愛のテール』で第11回OMS戯曲賞大賞を、2005年に『ヒラカタ・ノート』で第12回OMS戯曲賞特別賞を連続受賞。2007年に京都府立文化芸術会館『競作・チェーホフ』で最優秀演出家賞を受賞。劇作家、演出家として注目を集めるほか、演劇ワークショップや演劇講座の講師としても活躍している。
2016年より財団法人地域創造派遣アーティスト、京都造形芸術大学舞台芸術学科の専任講師を務める。

出演
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photo: 降矢菜採

門脇 俊輔(かどわき しゅんすけ)

1981年、北海道生まれ。
2002年、京都大学在学時にニットキャップシアターに入団。2003年、ベビー・ピー旗揚げメンバーのひとり。以降、両劇団に所属し俳優として舞台に出演するほか、公演プロデューサー等を務める。舞台ではカホン等の打楽器を演奏することもしばしば。2011年より、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭スタッフ。

ニットキャップシアター外の近年の主な出演作品に、ベビー・ピー『ふまじめな絵本』(2015)、『山ぐるみ人形劇 マクベス』(2016)、『大地の商人は川を網羅する』(2018)、劇団しようよ『あゆみ』(2015, 2017)、『TATAMI』(2017)、「劇研のど自慢」司会(2016)など。

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photo: 降矢菜採

高原 綾子(たかはら りょうこ)

酒の街、京都伏見の生まれ。
2004年、ニットキャップシアターに入団。以降、俳優と制作として全作品に関わる。
小学校は器械体操、中学はソフトテニス、高校はハンドボールの右サイド。好きな場所は山間部の川。
劇団では少年少女の役が多く、エネルギッシュな演技が特徴。
近年の外部出演舞台:五感で感じる和の文化事業 創成劇場『やわらかなかぐら』(2016)、VOGA『about XX』(2017)など。
演出助手や俳優を支える舞台裏方としても活動する。

sawamura
photo: 降矢菜採

澤村 喜一郎(さわむら きいちろう)

1982年、高知県生まれ。
2006年、ニットキャップシアターに入団。以降、ほぼ全ての作品に出演する。
劇団外の主な出演に、9時間半にも及ぶアメリカ演劇屈指の大作 KUNIO09『エンジェルス・イン・アメリカ』(2011)や、sunday play#5『グルリル』(2012)、夕暮れ社 弱男ユニット『僕たちは、世界を変えることはできない』(2016)など。
映像作品への出演に、重江良樹監督作品『紡ぎ』などがある。
また子ども向けの演劇ワークショップの講師を務めるなど多方面にて活動中。

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photo: 降矢菜採

仲谷 萌(なかたに もえ)

1989年、大阪府交野市生まれ。
小学生で交野のサワガニ役をやる。
東住吉高等学校芸能文化科にて上方伝統芸能を学ぶ。京都造形芸術大学舞台芸術コースにて主に演技やダンスをやる。卒業後フリーの役者を経て、現在ニットキャップシアターに所属中。出演したり小道具や仮面をつくったりしている。
5月の山と、夏の夕方の散歩が好き。

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photo: 降矢菜採

池川 タカキヨ(いけがわ たかきよ)

1989年11月29日、奈良県生まれ。
大学時代から演劇に目覚める。
2012年2月、『さらば箱舟』にてニットキャップシアターに初参加。
2018年1月、ニットキャップシアターに入団。
元シンガーソングライターの経験を活かし、劇中音楽などで活躍。

主な出演履歴は以下の通り。
・「地域とつくる舞台」シリーズ アイホールがつくる「伊丹の物語」プロジェクト『さよなら家族』(2017)
・石原正一ショー『西の遊のキッコ』(2018)
・ももちの世界『カンザキ』(2019)

senda

千田 訓子(せんだ としこ)

1971年、大阪生まれ。
幼少期より姉の影響を受け、数多くの舞台に出演、17歳でピッコロ演劇学校、立身出世劇場を経て、2000年にリリパットアーミーIIのメンバーとなる。
2012年1月劇団を退団。 その後はフリーの役者として活動しながら焼酎亭八海山としても時々落語で活動中。

主な出演舞台
音楽劇【大悪名】
南河内万歳一座【秘密探偵】石原正一ショー【西の遊のキッコ】
万博設計【駱駝の骨壷】他。

nishimura

西村 貴治(にしむら たかはる)

京都府出身。
1997年、演劇企画集団「THE ガジラ」鐘下辰男主宰塵の徒党に参加。以降舞台を中心に活動。
30代を家業に費やし気づけば40代。
厄年をきっかけに役を獲りにと4年程前より京都を中心に芝居をはじめる。

主な出演作
塵の徒党『去る者は日々に遠し』
演劇企画集団 The ガジラ『ベクター』
演劇企画集団フラジャイル『bridge』
ニットキャップシアター
 『カムサリ』、『ねむり姫』
烏丸ストロークロック
 『新・内山』、『凪の砦、vol,1~6』
伊丹アイホール主催公演『イタミノート』
下鴨車窓『純粋パレス』
RoMT『十二夜』

yamaoka
photo: 脇田 友

山岡 美穂(やまおか みほ)

横浜生まれの大阪育ち。
現在は関西を中心にフリーで活動しており、舞台作品を中心にジャンルを問わず多岐にわたり出演。近年ではロームシアター京都劇場探検ツアーのアテンダントとして劇場と地域に密着した事業にも参加。
舞台と演劇をこよなく愛し、日々のエネルギー源はにんにくと猫。冬になると金沢を訪れ、お気に入りの喫茶店でココアを飲むのが1年のたのしみ。

kuroki

黒木 夏海(くろき なつみ)

mazメンバー。同志社女子大学声楽コース卒業。いいむろなおき氏にマイムを師事。DANCE COMPLEX2010優勝&審査員特別賞。これまでに、いいむろなおきマイムカンパニー、ニットキャップシアターなどに出演。 コーヒーが好き。
m-az.net

otori

尾鳥 英二(おとり えいじ)

1985年、福井県出身。
2011年から俳優活動をはじめる。
二口大学氏の演技レッスンに4年間取り組む。
主な稽古台本に「いかけしごむ」「紙風船」「熊」「海と日傘」など。
2019年2月、ごまのはえ脚本・演出の舞台『百年のあくび』に出演する。
京都市在住。

パーカッション
tanabe

田辺 響(たなべ ひびき)

西アフリカの楽器 “アサラト” を手にした事でリズムの世界・世界のリズムへ。
アサラトのみで構成されたパフォーマンス集団 “鴨印” 、指揮型即興打楽器オーケストラ “La senas”、コミックHIPHOPバンド “ザ ストロングパンタロンX” にて活動中。
近年ではアジア、ヨーロッパなど海外でのパフォーマンスやワークショップも好評を得る。
またフリーのパーカッション二ストとして、これまで様々なプロジェクトやバンドに参加。

2017年より世界の楽器、民族楽器を取り扱う専門ショップ “RAGAM(ラーガム)” を開店。
世界各国の楽器や音楽文化を紹介する講演やワークショップも各地で行う。
http://ragam-store.com/

写真協力
goto
photo: Furuichi Junko

後藤 悠樹(ごとう はるき)

1985年大阪生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。
2006年にサハリン(樺太)を訪れて以来、定期的に長期滞在を繰り返す。被写体に寄り添うようなスタイルで写真と原稿にて作品を発表。著書に「サハリンを忘れない(DU BOOKS)」、「サハリン残留 (高文研)」(写真を担当)がある。

近年の写真展には「Всматриваясь в Сахалин(邦題 サハリンを見つめて)」(サハリン州立美術館 )、「サハリンを忘れない」(神楽坂セッションハウス)などがある。広告写真家のアシスタント、アパレルカメラマンを経て、現在写真館勤務。
https://www.goto-haruki2.com/

スタッフ
舞台監督|河村都(CQ)
舞台美術|西田聖
照明|葛西健一
音響|三橋琢
映像|堀川高志(kutowans studio)
映像操作|飯阪宗麻(NOLCA SOLCA Film)
写真協力|後藤悠樹
衣装|清川敦子(atm)
小道具|仲谷萌
演出助手|小山裕暉(テノヒラサイズ)
韓国語監修|徐義才
ニヴフ語指導|白石英才(札幌学院大学)
岩手弁指導|劇団らあす(花巻市)
絵|竹内まりの
宣伝美術|山口良太(slowcamp)
記録写真|井上大志
制作|高原綾子、門脇俊輔、澤村喜一郎
当日運営|池田みのり、新原伶(劇団なかゆび)
制作協力|三坂恵美(観劇三昧)
協力|株式会社リコモーション、山口浩章
資料協力|一般社団法人全国樺太連盟、NPO法人日本サハリン協会
企画・製作|ニットキャップシアター
主催|ニットキャップシアター、一般社団法人毛帽子事務所
提携|伊丹市立演劇ホール
助成|芸術文化振興基金
京都芸術センター制作支援事業

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